2012年 02月 15日
人が凧を揚げる理由とは……? |
「俳句鑑賞入門(上)」(山口誓子)を読んでいたら、
凧の尾の空にからまる物もなし 石井露月
を取り上げ、「凧をみかけるのは正月であるが、歳時記では、凧は四月に分類されている」とし、凧についてのこんなエピソードを紹介している。
学生時代のこと、山口誓子は京都から東京へ帰る三等車で高僧と差し向かいに乗り合わせたのだという。
「そこで何の話からか、凧の話になり、その僧は、凧を揚げるのは、こどもの目に美しい空をみせるためだと語った。その話を聞いて、私はそうに違いないと思った」
うーむ、こどもに美しい空を見せるためか。私もそうに違いないと思いましたね。高僧、深い。
山口誓子はホトトギスに所属。その後「天狼」を創刊、新興俳句運動の中心的存在だった人だ。
夏草に汽罐車の車輪来て止る
海に出て木枯帰るところなし
ピストルがプールの硬き面にひびき
などが有名だが、次のような軽いユーモアをたたえた句や不思議な句も。
蜥蜴出て新しき家の主を眇たり
扇風機大き翼を休めたり
煖房や株主集う椅子を置く
スケート場沃度丁幾(ヨードチンキ)の壜がある
しかし、私が好きなのは何といってもこの一句。
パンツ脱ぐ遠き少年泳ぐのか
この本に取り上げられていた句で、わたしが付箋を付けたのは、次の二句でした。
遠く来てハンカチ大の芝火つくる 西東三鬼
椿つなぐ子に父問へばウン死んだ 渡辺水巴
昨日からの雪で今朝の積雪は10㌢ほど。湿ったやや重たい雪でした。
凧の尾の空にからまる物もなし 石井露月
を取り上げ、「凧をみかけるのは正月であるが、歳時記では、凧は四月に分類されている」とし、凧についてのこんなエピソードを紹介している。
学生時代のこと、山口誓子は京都から東京へ帰る三等車で高僧と差し向かいに乗り合わせたのだという。
「そこで何の話からか、凧の話になり、その僧は、凧を揚げるのは、こどもの目に美しい空をみせるためだと語った。その話を聞いて、私はそうに違いないと思った」
うーむ、こどもに美しい空を見せるためか。私もそうに違いないと思いましたね。高僧、深い。
山口誓子はホトトギスに所属。その後「天狼」を創刊、新興俳句運動の中心的存在だった人だ。
夏草に汽罐車の車輪来て止る
海に出て木枯帰るところなし
ピストルがプールの硬き面にひびき
などが有名だが、次のような軽いユーモアをたたえた句や不思議な句も。
蜥蜴出て新しき家の主を眇たり
扇風機大き翼を休めたり
煖房や株主集う椅子を置く
スケート場沃度丁幾(ヨードチンキ)の壜がある
しかし、私が好きなのは何といってもこの一句。
パンツ脱ぐ遠き少年泳ぐのか
この本に取り上げられていた句で、わたしが付箋を付けたのは、次の二句でした。
遠く来てハンカチ大の芝火つくる 西東三鬼
椿つなぐ子に父問へばウン死んだ 渡辺水巴
昨日からの雪で今朝の積雪は10㌢ほど。湿ったやや重たい雪でした。
by ekimaeshokudo
| 2012-02-15 19:16
| 読書日記